99.9-刑事専門弁護士-(下)

日曜劇場「99.9 seasonII」は終了しましたが、人気ドラマなので、いずれまたseasonIIIが始まると思いますが、検察で起訴されれば99.9％有罪になるという現実に対し、0.1％の可能性に賭けて正義感溢れる弁護士達が地道に検証作業をして真実を明らかにしていくというテーマの痛快ドラマ(脚本：宇田学氏)です。昨今よく「検察は不起訴としました。理由は明らかにしていません。」という報道が頻発していますが、本当に証拠不十分で不起訴にしたのか、或いは起訴できるだけの根拠があっても、0.1％になるのが恐くて腰が引けて起訴に踏み切れなかったのか。昨今あまりにも不起訴報道が連発しているので、検察の不備・不正を突きつけるこのドラマの影響が多少なりともあるように思えてなりません。勿論、ドラマの影響だけで不起訴にするわけありませんが、思わず「え、うそでしょ？」と言ってしまうような凶悪事件の不起訴ニュースが流れる度に、起訴して責任を取りたくない検察官の心理に「99.9％」が多少なりともエフェクトしているのではないかと勘繰ってしまいます。昨日も、今年5月に飲食店で妹夫婦一家を包丁で襲い、6歳の女児が死亡、3人が重軽傷を負った事件で、元千葉市議が心身喪失理由で不起訴となったニュースが流れました。宇田学氏には、「検察＝国家権力＝起訴確定、(不十分な検証による冤罪の可能性)」という構図だけではなく、「凶悪犯罪加害者(少年含む)における心身喪失・心身耗弱・計画性の無さといった定番化した無罪主張＝被害者の生存権の軽視や遺族の絶望感」という側面・視点でも脚本を書いてドラマ化してほしいと思います。